実行委員長挨拶

全国大会開催にあたって

日本技術史教育学会

2023年度全国大会実行委員長

高 峰(西日本工大)

 2023年度日本技術史教育学会の全国大会は、12月9日(土)と10日(日)に西日本工業大学の小倉キャンパスにある大学院・地域連携センターで開催されます。この度の大会は、新型コロナウイルスの影響による制約が続いた中で、コロナ禍前の形式に戻る初めての全国大会となります。論文講演会、特別講演、学生ポスターセッション、懇親会、そして2日目の見学会など、多彩で充実した内容を計画しました。コンテンツの充実を通じて、技術史に関心を寄せる皆様に有益な情報と興味深い議論の場を提供できることを楽しみにしております。

 主催校である西日本工業大学は、この大会を開催できることを大変光栄に思い、万全の準備を整えております。西日本工業大学について、地元工業界の要請に応え、より高度な知識と実践的な能力を持った人材を育成する使命を担っています。工学部とデザイン学部の豊富な専門学科を通じて、実践的な学びの場を提供し、学生たちの成長を支えています。西日本工業大学は、小波瀬キャンパスと小倉キャンパスの2つの校区があり,今回の大会は、北九州市中心部に立地する小倉キャンパスで実施いたしますします。この大会を通じて、ぜひ西日本工業大学の教育環境について知っていただければと存じます。

 開催地である北九州市についても触れさせていただきたいと思います。北九州市は、日本の九州地域に位置し、その歴史と文化が融合する魅力的な都市です。この街は作業技術史の中心地としても知られており、製鉄、製鋼、そして新たな産業技術の研究が行われた施設が点在しています。文化遺産も豊富で、小倉城や門司港レトロエリアなどがその代表です。観光スポットとしても魅力的で、新日本三大夜景として有名な皿倉山の美しい自然環境から、門司港までの道のりにはレトロな建物と歴史ある街並みが点在し、訪れる価値があります。

 2020年初めからコロナウイルスの流行で世界的なパンデミック宣言がなされ、その影響で、多くの学会が会場制限やオンライン開催に切り替えました。出席者数制限や感染対策が必要となり、対面での交流が制限されました。本学会も、数年のハイブリッド形式の講演会発表会を実施していまた。2023年の今年度は、コロナ禍の収束が見えており、3年ぶり全国大会の対面開催を決定いたしました。引き続き新型コロナウイルスへの感染対策を実施し、皆様に安全な環境での学術交流を提供いたします。

 大会では一般の学術講演以外、特別講演や学生ポスターセッションなど、多彩なプログラムを用意しております。特別講演では、「世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の登録経緯と官営八幡製鐵所」についての講演と、地元に立地する世界トップレベル企業であるTOTO株式会社からの「ウォシュレットの技術進化の歴史」についての講演を予定しております。また、学生の研究発表を促進するために約10件程のポスターセッションも計画しています。

 今回は、完全な対面実施で、従来の学会活気を蘇らせ、学術において最新の研究成果の発表、活発な議論、参加者の交流を深める確信があります。皆様の積極的なご参加をお待ちしております。今回の全国大会の実行委員会は、学術コミュニティにおける知識と洞察の共有の場を提供し、技術史における新たな展望を広げるお手伝いをできればと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。